ひさしぶりにミネルバが戦闘。しかし、正規の軍人だから仕方ないのだが、本当に戦闘がないと主人公らしいことしないな、シン・アスカ。もっとも、今回はこれまでの出番の少なさを補うように大暴れ。と言うか、種、割れちまったよ、種。
前々からの事だが、この種っていったい何なんだろう。コーディネーターなら誰でも持っていて、きっかけさえあれば割れる(覚醒する)のだろうか。それとも、元々持っている人間だけなのだろうか。後者だとすると、シンの出生には何らかの秘密がある事になるのだが。
それにしても、シンはキラと違って、覚醒していようがしていまいが容赦なく敵を殺している。いや、別にここでシンの人間性を問うつもりはない。ただ、殺される側は何を考えているのだろうと思って。
なにしろモビルスーツだけで考えても、数十機があっという間に撃破された。しかもたった三機に。相手が精鋭とは言え、メビウスのころとちっとも変わっていない。にも関わらず、連合側の指揮官はあまり動揺していない。最初から折り込み済みの損害という事なのだろうか。しかし、仮に指揮官がそれで納得していたとしても、よくパイロットたちは命令通りに突っ込むな。まさか全員、洗脳済みと言うわけでもあるまいて。
あんがい、ザフトと連合では、パイロットになる事の意味がぜんぜん違うのかもしれない。
コーディネーターとして生まれるには裕福な親を持たなければならない。逆に言うと貧家に生まれた者は必然的にナチュラルになる。ブルーコスモスの指導者などはともかくとして、前線には食うために兵隊になった人間が多いのかもしれない。そうであれば、自分の命を軽く考えていることも、ある程度は納得できる。それでさらに、モビルスーツの操縦が簡単なら、物量作戦というのも悪くない。
とは言え、数十機対三機であの有り様ではやはり問題がある。今回の指揮官の言うように、ナチュラルとしてはモビルアーマーの強化を考えた方が正しそうである。現にザムザザーは結構活躍していた。
なんだかあらためて、ハルバートンの無能さが証明されてしまったような気がする。
もっともザムザザー、活躍しつつも、早々に破壊されてしまった。わざわざ作った新兵器がこれでは、連合としてはなかなかやってられないものがあろう。
ただ、ドラマとしてはこれで正しいと思う。「やらなければ、こっちがやられる」ぐらいでないと超兵器とは言えない。「Ζ」以降、「おぼえてろー」と逃げてくやつらが増えて、しまりがなくなったが、最初の「ガンダム」の新メカはこれぐらいはっきりしていたものだった。ただ、「ガンダム」のモビルアーマーは一話でやられるにしても、乗っている(オヤジ)キャラはしっかり作ったものだった。ここら辺は時代の差かな。それとも需要の差かな。
ザフトと連合が真剣に殺しあっている一方で、オーブは相変わらずの体たらく。カガリもユウナも方向こそ逆だが、ダメな事に変わりはない。
その一方で艦隊司令官が一人でいいところを見せていた。後方の言う事を無視して、さり気なく気遣い。
もっとも、その気遣い、あまりにさり気なさすぎたのか、ミネルバには理解されなかった模様。おかげで、タリアまでカガリを恨むようになってしまった。
どうもカガリはみんなを満足させようとして、結果としてみんなから恨まれているようだな。まあ、いい事をすればみんなに好かれると思っている辺り、まだまだ幼い。理想を持って生きれば、むしろ人から憎まれるもの。手段としてならともかく、目的として人に好かれようなどと思っていては、人間、大した事は出来ない。さてカガリは、人生が終わるまでにその事に気付くだろうか。