「萌えかぁ……、ずいぶん遠くなっちゃったなぁーって」
作っている方にもちゃんと自覚はあるようだ。
そんなこんなで、地下の秘密基地にHiMEを集めて総力戦態勢。しかし、「敵に攻め込まれたんで本拠地を放棄、こんな時の為に用意しておいた別の司令部に移動」と言うのは非常にサンライズらしい展開だと思う。「ガオガイガー」とか「電童」とか。
もっとも、この状況に持ってくる為に多少強引な展開もあったような気がする。紫子と雪之を上手く逃がすのに苦労したようだ。
特に雪之の方が強引だった。まあ、遥ならなにやっても、「遥だから」ですませられるんで、逆に楽だったかもしれないが。しかし、遥は無自覚に自分の命を拾ったな。
無自覚な遥に対して、自覚しているのが石上先生。結局、関係者だったようだ。そうなると紫子の安否が自分の命に直結している事がわかっているから、必死にもなる。紫子への好意が本当だろうが嘘だろうが、命がけであるのは変わりないからな。
命がけ、と言うと言い過ぎかもしれないが、力使うたびに息を切らしているアリッサも、それなりの覚悟をしているよう。彼女の目的がシアーズ財団の目的と同じかどうかは分からないが、危ない橋を渡ってでもその目的は果たしたいようだ。
アリッサがかなり無理している一方、真白の方はまだ余裕がありそうだ。むしろ、このお嬢さんの方が恐い。いや、お嬢さんかどうかも怪しい。もっと言えば、人でない可能性だってある。
七人のHiMEが集まったが、別に全員集合と言うわけではない。合流しかなった方はどうなるのか。
晶に関しては特に問題がないだろう。自分で状況を判断出来るし、フットワークは一番軽い。むしろ遊軍として外においておいた方がいいぐらいだ。
静留もほぼ同様。もっとも静留がHiMEであるとはっきりしたわけではない。順当に行けば間違いなくHiMEなんだが、多少ひねってきそうな気もする。例えば「元」とか。
「元」と言えば、あかねはあの状態から治る可能性があるのか。逆に、いかにも「闇」な医者一人で治せる可能性があるのに、これまで治らなかったのか。それはつまりイチバンチが彼女を治そうとしなかったと言う事だろうか。
HiMEにとってシアーズ財団は敵だが、イチバンチが味方と言うわけでもなさそうだな。さて、この事実を知っているなつきはどうするか――まあ、なつきにとってイチバンチは元々敵だが――。