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2011年 12月 21日
「女のためです。たった一人の女を、この手で抱きたい。だから戦っています」
なんか先を越されたな。こういう台詞は集に言ってほしかった。相変わらず主役を食ってるな、恙神涯。 主役に求める事は色々あるのだが、その一つに「動機や目的、願望がわかりやすく、一貫している」という物がある。これが満たされていると主役に感情移入しやすいし、物語の方向性がある程度わかってイライラする事が少ない。 集は多分それを満たしている。初めから今に至るまで一貫して彼の行動の根幹にあるのは「いのりを自分の物にしたい」というわかりやすい願望なのだろう。 まあ、この推測自体が半ば以上(私の)願望だがな。なにしろ、それ以外には見当たらないので。理想や正義、義侠心とかではないだろう。アンチボディの非道に動揺したり、葬儀社に仲間意識を持ったりしたが、その場限りの事でそれが行動の原動力とかにはなっているようには見えない。 ここら辺、いかにも「今時の若者」だ。倫理や道徳といった社会で作られた価値観など気にも留めず、(ナチュラルに)自分にとって利益か不利益かを計算している。(社会における)地位や名誉や賞賛とかが欲しくない訳でもないが、リスクを負ってまで得ようとは思わない。誰かが災厄に見舞われている事を知っても、「自分にはどうする事も出来ない→だから責任はない」と軽く流せる。貪欲ではないのでわかりにくいが、実はかなりエゴイスティックだ。 もっとも、そういう在りようって嫌いでもない。「夢の実現=社会的成功=正義」という考え方に染まっていた前の世代――あるいは我々の世代――より余程評価できる。年寄りは今でも「夢を持て」とか言って社会において何かを成し遂げさせようとするが、大抵その言葉の奥にある本音は「自分たちでやるのはかったるいから、お前ら代わりに社会に貢献して(俺たちが)快適な世界にしろ」程度でしかない。そういう欺瞞に満ちた言葉をスルーして自分のペースで利己的に生きるしたたかさには、むしろ好感を覚える。 ただ、一方で、「本当にそれでいいの?」とも思う。損をしないように、いいように利用されないようにという事に捕らわれ過ぎて、本当に欲しいと思う物を手に入れる可能性まで潰してしまうのはどうだろう。ここぞという時には突っ走っちまった方が良くないか。途中で損をする事になっても結果的に他人に利用される事になっても、それは恥ずかしい事ではないと思う――と言うか、気にする事ではないと思う――。 別に夢だの何だの高尚な事を言わなくてもいいんだ。そもそも「夢」なんて言葉は社会に役立つ時だけ欲望に被せられる仮面だ。「夢」という言葉をフィルターにして社会にとって有害・無益な欲望を排除しているに過ぎない。「夢」と呼ばれるようになった時点で純粋ではないのだ。 そんな事を普段から思ったりしているので、集が「意中の女を自分の物にする」という欲求で動いていてくれるのならば、むしろ嬉しい。正義とかとは無縁で相当に利己的――「いのりを守る」「いのりを幸せにする」でさえ手段であって目的ではあるまい――だが、この場合はそれでいい。目的達成の為に他人や社会の利益とぶつからないように工夫する必要はあるが、スタート地点では他者の利益を無視した完全に個人的な欲求の方がむしろ純粋でよろしい。 純粋と書いたが、こういう場合、主人公のヒロインに対する気持ちがどれだけ純粋に見えるかで作品自体の良し悪しがかなり変わる。その点、集の設定、初期状態は良く出来ていた。 話が始まった時点の集はかなり恵まれている。恵まれていると言っても、いわゆるリア充というのとはちょっと違って、むしろオタクまたは草食系男子の願望が満たされた空間というか。好意を寄せてくれる可愛くて胸の大きい幼馴染み。自分を溺愛している(でもあんまり家に帰らない)美人のお母さん。空気を読めない自分を(頼まなくても)フォローしてくれる友人。全然がんばってないのに快適な青春を送る為に必要なものは全部揃っている――父親という精神的に面倒臭い存在は端から居ないし――。 こういう満たされた状態にあったお陰で、集がいのりと親しくなろうとしたのが「現状から脱出する為の手段」に見える事だけは無くて済んだ。ボーイ・ミーツ・ガールをやろうとしたんだが、ここら辺の塩梅がわかってなくて失敗した例はいくつもある。「お前もそろそろ恋愛の一つでもせんか、と言われてその気になったちょうどその時ヒロインが通りかかったのでこいつにしようと決めた」とか「なんか人生上手く行かない。今の自分は本当の自分じゃないんだ。ああ、彼女なら自分を本当に自分が居るべき所に導いてくれる」みたいな出だしだと、その時点で白けてしまう。 まあ、集の「満たされた日常」も実際は砂上の楼閣で、しかも早々に崩れ始めてしまったから、いのりに対する気持ちが強くなったのも状況に流された結果――吊り橋効果――という面は否定できない。そもそも最初に惹かれたきっかけも、「記憶の奥に眠っている「お姉ちゃん」と同じ姿をしていたから」という可能性が強いし。 それだけに、集には「自分はいのりを欲していて、戦うのはその為だ」と言う事をきっちり自覚してもらい、かつ明言してほしかったんだが。なんか涯に先を越されてしまったよ。これでは集が言っても二番煎じ、物真似にしかならない。しかも今回、集が涯みたいになろうとした事、それが間違いだった事が割とはっきり描かれてしまった――集自身は「なれなかった」事を問題にしていたが、話の流れからするにそもそも「なろうとした」事が間違いだったのだろう――ので、それ(二番煎じ、物真似)さえ出来ない。 「やっぱり吉野弘幸が描きたいのは涯の方で、集の方はどうでもいいのかなあ」と少し思ったが、よくよく考えるとこれも仕方がない事なのがわかってくる。 主役と準主役、二人いる以上、性格やらキャラクターやらはきっちり分ける必要はある。同じような事をするようでは二人用意した事がむしろ有害になる――きっちり敵味方に分かれていれば、多少キャラが被ってもいいんだが――。実際、くだんの台詞(あるいはそれに類する台詞)を先に集が言っていたら、「むしろ涯が言いそうな台詞だよなあ」と思っていたかもしれない。涯が常に自覚的で、自分一人で決めて進んで行くタイプなら尚更、集は思い悩んで人に背中を押してもらうタイプにならざるを得ない。そういう事なのだろう。 一見、主役である集が、準主役である涯のあおりを食ってキャラが歪められているようだが、そういう訳ではないのだろう。むしろ涯が居る事で集の「弱さ」が魅力に見える。実際、ある種の女性は涯よりも集の方に魅力を感じる様子。涯自身はむしろ集に劣等感なり敗北感なりを持っている。「僕は僕だった。どうしようもなく桜満集だった」みたいな台詞を肯定的な意味で言えるようになるかが、とりあえずの山か。 そこまで考えると、くだんの台詞を発したのが集ではなく涯だった事にもそれなりに納得できる。確かに今更、普通に出来る奴になっても困る。変わらなきゃならない部分もあるだろうが、根本的な所は変わって欲しくない。周りに助けられまくるというのは、それはそれで主人公らしいしな。 ああただ、そこら辺をわかっても尚、今回の祭の「男にとって都合のいい女」っぷりは見てて少し不快だった。表面的・短期的には見ると「都合のいい女」になる事を拒絶した事になるんだが、物語的・長期的に見るとむしろ完全に主人公と物語にとって「都合のいい女だ」。だってこの後、集がいのりとよりを戻す事を考えると、ここで何もない方が好都合だもん。 そこは「他の女の代わりなのはわかっている。でも、ここを逃がせばもう二度と彼は手に入らない。既成事実を作って彼を自分の物にする」みたいな方が良かった。祭は当初から主人公にとってあまりに都合のいいキャラなので逆に微妙だったからな。むしろここで、そういう狡さだの弱さだのを見せてもらった方が魅力を感じたと思う。 あと、ああいうしょうもない現実逃避をした集にはちゃんと罰を食らって欲しかった。ここで祭と一線を超えちまって後でいのりとの関係が盛大にギクシャクするぐらいした方がむしろ納得できる。こと、いのりとの関係に関しては、集にはとことん苦労してもらいたい。 もっともここで本格的に三角関係(というより修羅場)なルートに入ったら、それこそ収拾が付かなくなるか。本末転倒な事だがこのアニメ、やる事が多すぎて主人公一人にかかずらわっては居られないようだ。 吉野弘幸の作品は主人公を始めとして出来る奴が多いが、作家個人の好みとは別に、そうならざるを得ない事情があると思う。吉野作品は大抵ネタが詰め込んであるので、そういうキャラじゃないと尺に話が収まらないんだろう。なにか起こるたびに登場人物たちが悩みまくったり迷走したりしていたら、それこそ時間がいくらあっても足りない。実際このアニメも、主人公である集が一々悩んだりごねたりするので、上手く話を回せなく、回せないまま無理やり進ませているのでネタが未消化だ。この上、脇役連中までアホな事をしだしたらそれこそ収拾が着かなくなる。そういった事情がある以上、祭には(ストーリーの要求に沿った)賢明な行動をとってもらうしか選択肢はなかったのだろう。仕方がない。 ただ、周りの連中をしっかりした人間として描いてしまうと、主人公のヘタレっぷりが悪目立ちしてしまうのがなんとも。いや、駄目人間ばかりを周りに揃えられてもそれはそれで困るし、露骨な引き立て役を出されても不快になるんだけど。ここら辺なんか上手い方法はないものかなねえ。
by GyouKyou
| 2011-12-21 00:02
| アニメ(オリジナル)
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