始まった頃は福田己津央の新作として見ていたが、終わってみるとむしろ古里尚丈作品だった。『舞-HiME』シリーズ、えーと、第5弾か。
そんな感じで最初と最後は割と別物。半年間概ね楽しんで見ていたが、この一貫性の無さは減点要素だ。序盤のタブーに触れまくっている内容――母性を疑ったり、身障者を悪く描いたりした所――を基準に見ると、期待外れな出来と言わざるを得ない。
ただ、始まる前はまったく期待していなかった事を思い返すと、また話は変わってくる。事前情報を見た時は「こりゃ駄目そうだ」と思った物だった。つーか、元々の企画が「うち(キングレコード)のアイドル声優を使ってなんか作って」だと聞いた時は「なんだかなあ」とげんなりした。
そういうアレな企画から、良くここまで骨のある、毎週見ている人が楽しめる事を最優先にした作品を作った物だ。ここは減点評価ではなく加点評価をしてやるべきだろう。それに上で書いたような一貫性の無さなども、元の企画がそういう物であることを考えると仕方がないのだろうと思えてくる。クライアントの方からの(ストーリーを考慮しない)要求とかは、多分あったのだろう――汚れ仕事をさせてはいけない人が誰だかが、何となく分かりました――。
なんか久しぶりに、「微妙な企画を現場のスタッフがどうにかして面白くする」アニメを見たよ。最近はこういうのがあまり無いので、内容以前に存在自体が心地良かった。