CHAPTER:25「おにいさま、最終回だそうですよ ずっと私のシモベでいてくださいね」
最終回はしっかりと作ったな。絵にしてもドラマにしても十分満足できるものだった。
とは言え、やはり無理やりまとめた感じはぬぐえなかった。それと金巻兼一の脚本の所為か、「藍より青し」を見ているような気分になってしまったのも困りもの。
まあ、「割烹着姿のエルフリーデ」という良いものが見れたんで許すけどね。
しかし、終わった後だからこそ言えることかもしれないが、1クールで作るべき作品だった。なまじ2クールもあるから、作画は間に合わないわ、話は中途半端だわ、碌な事がなかった。キンケルの首を取って、星空バックに写真を撮って、1クールで終わっていれば傑作アニメだっただろうに。
ちなみに、作画がしっかりしていて、話が上手くまとまっていれば、2クールでも良かったのかと訊かれれば、やはり違うと答えるだろう。
このアニメは当初、演出を中心に変わったことをやるのが売りだった。しかし、変わったことというのは繰り返しやられると変わったことにならないんだ。変わったことを売りにするのなら、適度に新しいことをやらなければならなかった。有り体に言えば、ネコミミとドリフでは2クールは持たなかったと言うことだ。
まあ、スタッフの方は1クールで作りたかったのかもしれないけどね。OVAをちまちま作っていた面子が、いきなり2クール作らされたら、そりゃ大変だわ。そこら辺、何か大人の事情があったのかもしれないから、同情したくもなる。
もっとも、与えられた情況に合わせて仕事をするのがプロだから、言い訳はできないか。
どちらにせよ、個々人の問題ではなく、会社の弱さが原因だろう。新しい会社というのはなかなか大変だ。