真下耕一がNHKアニメの監督をやるというので、さぞかし恐ろしいことになるかと思っていたが、(とりあえず1話目は)普通だった。まあ、昔と違って監督一人でアニメ作る時代ではないからな。真下監督的には結構不満らしいが、お仕事としてやらざるを得ないのだろう。
という訳で、あまり書くようなことのない第1話。一々、キャラの名前を字幕で出すあたりに、微妙な痛々しさを感じるが、後は特に問題はない。
ああ、ただ声優が総入換えだったのには多少驚いた。主役二人は必然だが、それ以外はそのままだと思っていたのに。ここら辺、スタッフに何らかの思惑、と言うより含むところがあるのだろうか。
しかし、別に出来が悪いわけではないが、見ていてあんまり楽しめないなあ。そもそも、この話をNHKでアニメにすること自体が間違っているんだ。
確かに「カードキャプターさくら」の流れから、NHKでやるのが適切に思えるけど、元ネタは他にもあるしねえ。で、元の作品は「さくら」や「ツバサ」みたいにおとなしいものばかりではなく、むしろPTAが嫌がりそうなものがゴロゴロしてる。
本来、コアなCLAMP信者じゃないとわからないはずの話なんだ。それなのに、表向き普通の少年マンガに見えるんで、一般層も受け入れてしまった。それならそれで、まったく新しい話として考えればいいんだが、「さくら」との関連性だけは表に出す――出さざるを得ない――。そういう二重基準があるんで、見ていて嫌な気分にさせられる。
まあ、原作自体、もう真面目に読んでいないので、どうでもいいと言えばどうでもいい。
CLAMPは「聖伝」が始まったころから知っているが、「聖伝」が終わるころには既についていけなくなっていた。
独自の価値観で成り立っている小世界だから、その価値観が受け入れられない人間には居心地が悪いんだよ。