当初は「録るだけは録っておくか」程度だったんだが、いつの間にかこまめに見るようになっていた。なかなかに良い出来だった。
でも、第2期を見るかどうかは微妙。なにしろ、このアニメの魅力の4割ぐらいを担っていたアリーシャが(順当に)退場してしまったんで。そもそも当初、このアニメを見るか切るかで悩んだのは、普通に考えればこいつがヒロイン間違いなしのキャラなのにOPやEDや主人公の対応が全然それっぽくなかったからだ。がっかりな展開になりそうだなあと警戒していたが、案の定だった。
もっとも、聞く所によると原作の方はもっとひどいらしい。原作ゲームではこのお姫様、ヒロインどころかレギュラーですらなく、実質出番は序盤だけ、途中で気まずい別れ方をしてほぼそれっきりなんだそうな。話考えた奴の正気を疑うレベル。それと比べれば、アニメの方は確かにまともだ。
ただ、それでアニメのスタッフを褒めたくなるかというと、これがまた微妙だったりする。もし、主観的に原作のストーリーが駄目だと思って、もっと良くしようと思ってこういう物が出来たんならいいんだが、多分そうじゃなくて、原作のストーリーが叩かれているのを見て、「延焼」を防ごうとしただけなのだろう。シリーズ構成や脚本が会社名――実質的には匿名――なのを見ると、そう思えてくる。
昨今ではどこでもストーリーは会議室で話し合って決めているようだから、この方がむしろ正確ではある。また、脚本家がネットで「叩きやすいから」という理由で叩かれている事を考えれば、専業の脚本家に責任を押し付けない姿勢は評価できる。
でも、それならそれで、監督なりプロデューサーなりが「ストーリーに関しては自分が責任者」と明言しないと。みんなで作るのは構わないが、結果に対して責任を取る人間は絞らないと、団体責任という名の無責任になってしまう。
ちなみに作っている人間がはっきりしていないと、駄目な時に誰を叩けばいいか分からなくて困る。そしてそれ以上に、良かった時に誰を褒めていいのか分からないので困る。実際このアニメも、この原作と異なるストーリーを作った責任者が明示されていれば、とりあえずその人は褒めていたであろう。
本当にストーリーに非の打ち所がなければ逆に誰が作ったなんて気にならないんたが、そこまでの物ではないからな。途中経過が変わっても結果は変わらない。こっから先は大人しく原作通り作るんじゃないかな。そうしないと今度は原作を肯定している人たちが怒り出すから。
勿論、終わってみないと評価は出来ない。導師一行の話は原作通りやりつつも、そこから離れたアリーシャの話もきっちり描くとかいうのならちょっと変わってくる。スレイ達が敵を倒すために頑張っている一方で、アリーシャはこれ以上敵が増えないように頑張る。そうやって離れていても繋がっていて助け合う。それで最後に帰ってきたスレイとアリーシャがくっつく。そこまでやったら神アニメだ。
もっとも、そんな面倒くさいことをするぐらいなら、大人しくアリーシャも導師一行のメンバーにするだろう。原作の方でも終盤でちょっとだけ顔を出すらしいから、アニメの方でもそんな物か。原作が悪い分、ちょっと手を加えるだけでずいぶん印象が良くなる。それが分かっているだろうから、変な冒険はしないんじゃないかなあ。