双子ネタという事で「今度は『フタコイ』か」と馬鹿にしながら見ていたんだが、どうしてどうして。双子しかいない町で、それぞれの双子の片割れだけで構成される二つの勢力がいがみ合う。そういう異常な状況を「そういうものだから」ですまさず、きちんとSF的な真相を持たせ、さらに上手く悲劇としてまとめあげた。五話目にして初めて、ネタとドラマが上手く噛み合っていた。
という訳で、今回に限ってみれば楽しめるのだが、如何せん、ここまでの流れを含めるとそうもいかない。今回の乗りは、1~3話の馬鹿乗りと較べるとどうしても違和感がある。困った事にウエンディ、ヴァン、カルメンといったレギュラーの方がむしろ話から浮いていた――正確に言うと、ヴァンとカルメンは話の乗りに合わせる為に「いつもと違う」キャラクターになっており、ウエンディは「いつもどおり」浮いていた――。
まあ、今回の乗りはむしろ例外で、あくまで新キャラであるレイ・ラングレンに合わせるから、こういう雰囲気のドラマになっただけなのだろう。もっとも、そうだとすると逆に問題は深刻になる。ライバルが主人公たちとまったく別の乗りのキャラではドラマとして一貫性が取れるわけがない。レイは、もっとヴァンやウエンディに対応したキャラにすべきではなかったか。逆にレイのようなライバルを出すつもりならヴァンのキャラはそれに合わせておくべきではなかったか。レイが復讐の為に手段を選ばない人間なら、ヴァンはもっと徹底的に義侠心のある人間だった方が良かった。