ポポが悩んでいる。結構な事だ。悩むのは問題に向き合っている証拠だからな。
とは言え、情報が不足している状況で悩みすぎるとあまりいい結果は得られない。ポポは「アダーはこの世界を救おうとしているのかもしれない」という発想に至ってしまったが、それは「デューク」という存在を知らない故の事。ペレらしき人物がアダーの仲間にいる事を知らないから、「守護者=悪」→「アダー=善」という連想をしてしまう。
もっとも、別の方向から考えて行くと、「アダーは世界を救おうとしている」というのは、まんざ間違いでもない気もする。ペレ本人の意思はどうあれ、「守護者の証」と遺跡の存在が黒い森の原因である事は考えられる。また、使命の為に記憶や命を失ったサーカス団のメンバーは少なからず不遇だ。現時点では悪とまでは言えないにしても、「守護者の証」やパムの背後にある存在には冷酷さを感じる。そういった冷酷な「大いなる力」あるいは「運命」に立ち向かおうとしているならば、アダーはむしろ「善」と言えそうだ。
まあ、結局はその「大いなる存在」が何者かによるんだけどね。
で、どうやらそろそろ、そこら辺についてパムが何か語りそう。いやはや、今回はポポが悩みまくるだけでなく、それに引きずられるようにソーマも迷走してたんで、尚の事パムが格好良く見えた。少年二人を差し置いてヒロイン一人でいいとこ取り。
しかし、やはり日本のファンタジーは必ずSFになるのか。どうやら、真面目に「なんで植物と虫と森の民以外の生物がいないのか」を説明してしまうようだ。
それって良いのか悪いのか。今まで視てきた人は「そういうものなのだろう」と納得してくれていただろうに。だったら最後まで「ここはそういう世界なんです」とファンタジーのままにしておいた方が(特に子供にとっては)良かったんじゃないだろうか。今更、理屈を付けると梯子を外された気分になりかねないぞ。
話の都合で作られた世界に、きちんと存在する理由を与えよういう姿勢は評価するし、個人的にはそういうのも嫌いではないんだが、上手くやらないと反発を受ける事になるんじゃないだろうか。これからの数回は結構、難しい所だと思う。