伝統という事か、やはり五話は息抜きの回。
もっとも前シリーズの五話は九割方バカ話だったが、今回はそこまで行かず、まあ四割程度と言った所。今回はむしろ萌え分が多かったような気がする。ええ、それはもう見事な苺祭りでした――こう書くと前に放送していた「苺ましまろ」に戻ったみたいだ――。
ちなみに、個人的には「猫に乗って高速移動」がなんか壷に嵌まった。猫が絡むと妙にメルヘンを感じてしまう。
しかし、トイレのことなんかもそうだったが、たまに雛苺は(無意識的に)真紅を出し抜く。まあ、猫に関して言えば、雛苺のノーガードな性質がいい方に働いたのだろう。真紅みたいに身構えていると、相手も身構えてしまって却って諍いの元になるからな。
ああ、なんかローゼンが真紅の後に雛苺を作った理由がわかったような気がする。隙がある事も理想的な少女の条件と言うことか。実際、雛苺は「庇護する対象」として理想的だ。それは巴を見ていてもわかる。
と言うか、今週の巴はばっちし「お母さんモード」だった。うーむ、今から思えば、雛苺と契約していた頃の巴は母親修行をしていたようなのだったんだな。まあ、そもそも人形遊びにはそういう面もあるから、普通と言えば普通かもしれない。巴も雛苺と一緒にいた事で、母親になる為の諸々を身に付けたことであろう。やはり、巴と雛苺の出会いは幸福な出会いだった。
いやまあ、結局は甘やかし過ぎが原因で契約関係は崩れちゃったんだけどね。ただ、そこで失敗した事も長い目で見れば、巴にとってプラスだろう。そこで自分の手元から離れた雛苺が成長している姿を見ればなおの事。やはり運命と呼ぶべきか、ドールとマスターはどこもかしこもそれなりに先天的に相性はいいようだ。金糸雀のとこだって例外ではない。……多分。
そんな訳で、金糸雀のマスター、みっちゃん(本名不明)が登場したんだが、まあなんと言うか……いかにも金糸雀のマスターだな。困った意味で金糸雀の上を行っているよ。
しかし、二人とも乗りが近いんで逆に歯車が噛み合っていないんだが、それはそれで上手く行っているようなんだよなあ。これはこれで相性の良さなのだろうか。
ああでも、稼いだ金の大半をトールの為に使ってしまっているようだから、ある意味、呪われた人形に引っ掛かってしまったとも言える。いやでも、人形趣味は元からのようだから、金糸雀がいなくても状況は変わらないのかな。なにしろみっちゃんのドールに対する入れ込み様は尋常じゃないようだからな。それは白崎の態度からもわかる。いやはや、本当に上客なのだろう。白崎くんの腰の低さはなかなかに見応えがあったよ。