まさか、あのボトムズもどきどもにこんな秘密があったとは。びっくりだ。そして、なんてひどい事をしやがるんだ。こりゃ確かに許せない。
いや実際、ザイリンが泣きながら魂を解放してやるシーンでは、少しもらい泣きしてしまった。そして、その後の「真なる敵に立ち向かうザルツ村の男だ!」のセリフには感じ入った。色々な面から見て、この一話でザイリンは大いに男を上げたな。結構な事だ。
でもなあ、こういう話をやるのなら、バイオゾイドに乗っているのは機械兵だという、本当は違うんだけどみんなが信じている常識を、きちんと明示しておかないと。最初に出て来てからしばらくは正体が気になって仕方がなかったが、敵も味方も何も説明しないし疑問さえ口にしないので、そのうちに触れてはいけない事なのだろうと勝手に納得してしまったよ。確かに漠然と機械なんだろうと思ってはいたが、同時にそれはあくまでなんかあった時の言い訳の為に必要な事なのだろうと思っていた。ストーリーに絡む設定だとはまったく思っていなかった。
こういう展開にするなら、「壊れたバイオゾイドから転がり出たパイロットを見て『パイロットも機械なのか』とルージが思う」といったシーンを、序盤に入れておくべきだった。そこまで行かなくても、「平バイオゾイドのパイロットは人間じゃないから、やられてもあんまり気にしなくていい」ぐらいの事をザイリンにでも言わせるべきだったな。
あと、メカ・ゲオルグに対してどういう反応をするか迷ったぞ。
ゲオルグが機械になって再登場という展開は悪くない。ルージたちの前にさらに厄介な敵として現れるが、同時に彼はジーンに道具として扱われる被害者でもある。一人で二つの役割をしてくれる美味しいキャラだ。
でも、デザインがあまりにわかりやす過ぎてなあ。あそこまで行くと「ここは笑うべき所なのか」と悩んでしまう。元々デザインに今一緊張感がないアニメではあったが、あれにはさすがに参った。