困ったことに、主人公が出ていない時の方が安心して見ていられるよ。
まあ、そういう事は別にこのアニメに限らずよくある事だ。テーマとか全体のストーリーとかを背負っている分、主人公を出す際には制約が多い。ネタを思いついたからといって何でもかんでも放り込んでいいものではない。考え無しに放り込むとむしろマイナスになる。
それに対して、主人公とは関係のないところでは比較的自由だ。程度にもよるが、ネタを放り込めば放り込むだけ面白くなる――特に短期的には――。実際、今回も「思いついたネタ、デザインしたキャラを片端から放り込んでいる」という感じだったが、それで特に問題を感じなかったからな。
ただ、後先考えずに好き勝手にやっているような今回の話でも、やるべき事はきっちりやっている。カズヤの事なんかがそれ。やはり『舞-HiME』の後継なら、予想と期待は外すべきではないな。予想通りの事を予想していない方法で見せるべきだ。いやホント、カズヤがカルデアの皇帝になるであろう事は予想していたが、そこで笑いを取る方に持っていくとはこれっぽっちも思ってなかったよ。
まあ予想通りと言っても、悪い意味で予想通りという事もあるから、一概には言えないんだけどね。いやもう、セルゲイの駄目具合は予想通りのものだったよ。
もっとも、もはやセルゲイに期待するのはどこまで「外す」かだから、ある意味では満足。むしろスミスに勝っちまった事に少しがっかりしたぐらいだ――ルーメンも何時の間にか死んでたし、内田直哉は最終回には出番無しか――。
しかし、ニナには最後にアリカと戦ってもらわなければならないから、セルゲイの目論見通りに行かないだろうと思っていたし実際その通りになったのだが、一体なんで上手く行かなかったのだろうか。オトメでなくてもハルモニウムは動かせるという事だろうか。トモエの助言に従って(?)乙HiMEの資格を失わないように上手くやったのだろうか。それともセルゲイの方が寸止めにしといたのだろうか。なんか色々と考えられるんだが、個人的には「漆黒の金剛石がY染色体ごときに負けると思うてか」という、わかったようなわからないような理由を希望する。なんかここまで来ると、それくらい理不尽な方がいっそ清々しくてよろしい。