12話目にして初めてハルヒが人様の役に立つ事をした。
まあ、つまりはこれまで一つとして真っ当な事をやってこなかったということだ。困ったヒロインに、困った話だ。
それにこの話の設定やカラクリを考えると、今回の話を「いい話」と言っていいのかどうか微妙になってくる。「バンドの正規メンバーに生じたトラブルはハルヒの特殊能力によるもの」という可能性も否定できないからだ――雨の方はむしろそう考えた方が自然だろう――。
裏を考えなければ、「出来上がっている面白い世界を外に求めていたハルヒが、自分の(特殊ではない)力で普通の世界を面白くできる事を知る」という風に、テーマやらこの後の話の方向性やらが綺麗に提示された回として、素直に評価できるんだけどねえ。
あと本編終了後に即、「劇中歌集シングル」のCMが流れたのにはなんだかイヤ~な気分になった。商売的には正しい事やっているしタイミングも見事――実際、ハルヒの歌を聞きながら「これ、例のCDに入っているのかな」と思っていた――なんだが、見事すぎて逆に退いた。ここまで来ると、マインドコントロールに近い物がある。