行き場のないからだを拾ってくれた磯貝は琴美の恩師で、その琴美はからだの同級生である徹允の幼馴染み。そしてたまたま同じ電車に乗り合わせていた事で徹允と行動を共にしていた琴美は折り良く磯貝のペンションに招かれていた、と。
持って行き方が上手いんで感心してしまったが、少し冷めた目で見ると随分と出来すぎた話だ。
もっともこの物語はそもそも、「椒子がかつての恋人である尋がいる叶町にそれと知らずに引っ越して来て、尋の妹であるからだと願い石の前で出会う」という、物凄い偶然から始まっているのだ。その手の事に突っ込みを入れてはそれこそ始まらない。「全ては願い石の導きによるもの」とでも言って納得しておくのが吉だろう。