「出た、死んだ」だったな朝霧大輝。十年も雌伏しといて、いざ表に出てきたら三日ももたないとは情けない。敗因は忍者のくせに科学技術に頼ったことか。なんにしてもダメお兄ちゃんよのう――最近こんな奴ばっかだ――。
ダメお兄ちゃんならダメお兄ちゃんで、せめて死ぬまでにもう少し面白いセリフの一つでも言えない物か。せっかく裏社会で十年も生きてきたんだから、「貴様は路地裏で残飯を(以下略)」とか。
それともあれはあらかじめ用意しておいたダミーの死体で、本人は変わり身だの空蝉だのでちゃっかり生き延びていて、妹たちのピンチにさっそうと現れたりするのだろうか。うーん、そこまで考えて作られたキャラとは思えないなあ。多分、これっきりなんだろうなあ。
それにしても、バトルな方向に話が寄っている。別につまらない訳ではないが、こっち方向にもっていくと主人公(千尋)とヒロインその1(時乃)を主人公とヒロインとして動かすのが難しかろうに。そこら辺、きちんと考えているんだろうか。