「なんて不様な。あたしなら……」
もっといい色に塗る?(←違う)
ピンクになったインベルを見て、千早が切れるんじゃないかと期待していたんだが、特にこれといった反応は無かった。彼女にとって重要なのはアイドルのインベルで、プロメテウスのインベルにはそんなにこだわりは無いのだろうか。今回、割とあっさりと秘密が明らかにされたが、そこら辺は相変わらず良くわからない。
それにしても、あずさと千早の区別がつきにくい事に、ちゃんとした理由があったとは。別にキャラの描き分けが出来ていない訳ではなかったんだな。少し見くびっていたよ。
もっとも、この二人の区別がつきにくいのは主に髪の長さによる物だからな。「姉妹だから似てます」と言われると、逆に腑に落ちない。むしろ真の方が千早の血縁っぽい。まあ、幼い頃の真があずさの事を「お姉ちゃん」と呼んでいたし、そこら辺に関しても何かあるのかもしれない。とりあえず、あずさは真に妹の面影を見ていそうだ。
ちなみにその真は、先週に引き続き迷走中。相変わらず「なんだかなあ」と言いたくなってくる。別にアイドルを道具と呼ぶのは構わないんだけどねえ。道具だからといって手荒に扱っていいというものではないだろう。換えが無いんだから大事に使えよ。そもそも道具だと言うなら、一々文句を言うな。文句を言うという事は、対象に心があると考えているという事だぞ。
まあ、心の底では道具だと思っていないんだから、こんな事を言っても始まらないんだけどね。先週の段階でそこら辺は既に明らかだった。むしろ、そういった中途半端さ加減が、「なんだかなあ」という気分にさせる一番の原因だったりする。
もうこの際だから真はトゥリアビータ側に寝返らないか。ネーブラなんぞは伊織にくれてやってさあ。幸いあちらには、道具扱いしてもそんなに問題が無さそうな類似品があるようだし。
そんな訳で、人造アイドル「エピメテウス」登場。いやはや、こんな隠し球があるとは。どうりであっさりと「アイドルは全部で五体」とばらすわけだ。(元のゲームの)ヒロインが十人いるのにロボットが五体しかないので(個人的には不満はないが)「いいのかそれで」と思っていたが、これならばいくらでも水増しできる。
もっとも、リファのような特殊な力を持っている者でないとエピメテウスは扱えないようにも見える。真に限らず、天然のアイドルマスターだと逆に無理そうだ。あずさと千早でもどうかわからない。
ちなみに、あずさと千早の身体に何か秘密がある事は(伏線がいっぱい張ってあったので)予想できていたが、改造人間だとは思わなかった。てっきり、あらかじめ操作された遺伝子で作られた、コーディネーターのような存在だと思っていた。
まあ、リファの方はそういう存在なのだろう――名前も何か略号のようだしな――。あずさと千早は実験体、あるいは失敗作という事になるのかな。どうにも、ミシュリンクやバスタルト――ヴァスタルト?――といった言葉が何を指すかがわからないので、現時点では推測もままならない。きちんとした意味があるとは思うんだが聞いた事のない言葉だからな。なかなかに困ってしまう。
まあ、わかりやすい言葉ならいいというものでもないんだけどね。エピメテウスというのも、なかなかに微妙。オリジナルがプロメテウスだからそれに対応させたのだろうが、如何にも頭が悪そうだ。自分が開発に関わっていたら「ちょっと待て」と言うだろう。物語として外から見れば順当なネーミングだが、作中の人物の気持ちを考えると、ちょっと不自然だと思う。