アルゴノートが人類の星系に帰還した事で、主役たちのポジションがわかりやすくなり、感情移入しやすくなった。特にディアネイラの兄貴たちがわかりやすく俗物だったのは、ありがたかった。彼らと比較される事でディアネイラとその一党が清廉で誠実である事がはっきりした。
基本的には、あるキャラの格を上げる為に他のキャラを悪く描くという手法は好きではないのだが、この場合はこれで構わない。今まで掴み所が無さ過ぎた。一度くらいなら、これくらいわかりやすい事をした方が、むしろ良いと思う。
それに、個人の問題というよりも社会や集団の問題として描いてあるからな。銀の種族にも当てはまる事なんだが、駄目なのが標準で、そうじゃない方が良い意味での例外として描かれている。諸悪を一人二人の所為にして、他はみな悪くないという風に描かれるよりも、こういう風に描かれた方が逆に安心して見られるよ。