ラス前クライマックスだけあって、力が入っている。蒼乃の策士ぶりとか、依人の説教とか、茉莉の切腹とか、見所が満載だ。
でも、個人的には今一つのめり込めない。何度も書いてきたが、依人や茉莉がどのような思いでこの結末を選んだかがわからないからな。どのように戦うかよりも、どうして戦うかを重視する人間としては、ここに至るまでにもっとやっておくべき事があったんじゃないかと、苦言を呈したくなる。
あるいは逆に、これまで情報がぜんぜん出てなかったら、今回の話を見て「そういう事だったのか!」と納得できたかもしれない。でも、事実自体はこれまでに結構明かされていた。今回、過去の話が通してやられたが、大部分はこれまでバラで明かされていた事だったので、あまり新鮮味が無かった。登場人物たちがどうしてそうするのかは今一つわからないのに、かつてあった事、これから起こる事はあらかたわかってしまっていた。これまでの話を気を入れて見ていたので、却って物足りなさを感じてしまった。
「最後のパーツが提示された瞬間、これまでばらばらだった物が一気に繋がる」みたいな展開を望んでいたんだが、そういう面では期待外れだった。スクリーンに映った映像にも少々がっかりした。同じようなシチュエーションは既に第2話でやっているからな。駄目と言うほどでは無いが、あれでは弱い。