やはりと言うべきか。眞一郎のお母さんが比呂美を目の敵にする理由は、比呂美本人ではなくその母親にあるようだ。
まあ、順当ではある。なにか事情でもなければ、あの冷たさは納得しづらい。特別な理由もなくああいう事をやっていたら、ただの嫌なオバサンになってしまう。そういった意味で、少しホッとした。
とは言え、具体的な事情がまだわからないので、完全には安心できない。その内容によって物語の様相がかなり変わる事もありえるから。過去話が語られるまで、落ち着かない気分が続きそうだ。
もっとも、そこら辺の事情は割と早く語られるかもしれない。なにせ乃絵の涙に関する話は、あっさり当人によって語られてしまったからな。
話の核心みたいな感じだったから、もっと出し惜しみするかと思ったのだが。早々に手札をさらしてしまった。1クールしかないから、仕方がないとも思うが、少し拍子抜け――あまり自然な流れでの発言でもなかったし、話し方も少し説明調だったので尚更――。
まあ、こっちはこっちで、更にその先に面倒な事があるようだけどね。乃絵に、というよりも、その兄である純の方に。真っ当に喋ったのは初めてだが、こいつも色々と屈折やら葛藤やらがある様子。外見から受けるイメージと実際のキャラに結構差があったので、ちょっと面白かったよ。