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2011年 03月 23日
別に地震の為ではない。放映前にあちこちに載っていた河森正治のインタビューを見ていたら見る気が失せたのだ。特に「三角関係に決着をつける(キリッ」にな。
やっぱり河森先生って、大口を叩いているけど実際には自分に自信が無くて、世間の評価をかなり気にするんだな。テレビ版のラスト、吉野弘幸は(むしろ正しい意味で)確信犯だから、批評家的な人たちの批判的な意見を見てもあまり気にしなさそうだけど、河森正治の方はそれを過剰に受け止めそうだ。 そこで開き直って、「三角関係に決着をつける」→「重婚合体!」→「嘘はいってないぞ、嘘は」ぐらいやれば大した物なのだが、そんな事を思いつく柔軟性も実行するだけの度胸もあるまい。まあ、吉野弘幸に全面的に任せたとしても、それはなさそうだけどな。あの御仁もそういった意味では旧世代に属する人だから。ハーレムエンドは(今回はこちらにいない)菊地康仁に期待するべきだろう。原作の方がきっちり続けば、いずれ『IS』で見れるだろう――もっともハーレムドラマとしては今回アニメ化した分で完成してしまっているので、そっち方面ではこれ以上の発展は期待出来ないんだけどね――。 そんな訳で、それこそ二股エンドでもない限り見る気は無いので、ラストに関する情報が自然に入ってくるまではスルーという方針だった。そしてこの度、行きつけのサイトでネタバレ感想が上がっており、それによって普通に片方を選んだ事がわかったので、当初の方針通り「とりあえずは見ない」という事になった。 もっとも、その感想を読んでいたら、なんか別の意味で少し見たくなった。多分そのサイトの主の書き方が上手かったからだろうが、一つの作品としては割と出来が良さそうに思えてきた。むしろ選ばれなかった方のドラマとして、という意味でな。 ただ、それでも積極的に映画館に足を運ぶ所までは行きそうに無い。いくら出来が良くても、失恋の話はあまり見たくないんだ、私は。 こういう時、自分は恋愛ドラマが実はさほど好きでないんだな、と実感する。恋愛要素が無いと、(無い事になんらかの必要性がない限り)それだけで評価を低くするが、だからと言って恋愛そのものがもろにメインになってくると、それはそれでちょっと遠慮したくなる。なにせ、恋愛メインの話って、大抵は誰かしらの失恋話になるからな。 幸福を仮に数値化したとしても、実際に人間がその幸福を実感するのはその値そのものではない。その値の増加だ。物凄く色々な物を持っていても、それがどんどん失われていけば、当人の感覚的には不幸だ。ほとんど何も持っていなくても、常に何かを手に入れていけば、当人は割と幸せだったりする。 この『マクロスF』の場合、テレビ版でアルトとシェリル、アルトとランカの間にそれなりの関係がそれぞれ出来上がってしまったので、今になってその片方だけを選ばれると、「片方を失った」という印象を受けてしまう。完全新作で、元々何もない状態から始めたのなら、「片方は得た」と考えられるのだけれども。これは別にアルトの立場で言うのではない。むしろ俯瞰的に見た場合、総量が元より減っていると感じてしまうのだ。 ドラマを深くするのに「何かを得る為には何かを失わねばならない」とか「何かを失う事で人は大人になる」とかいった事が必要だったり有効だったりするのは分かるのだが、こちとら実際の人生が勝ち戦とは言いづらい物なので、フィクションでまで損失感を味わうのはちょっと勘弁願いたい。 それに、そういう「願望充足的な部分を抑えて、少し厳しいドラマにしました」というのなら、それはそれで徹底させないと。前の映画版はむしろ客の願望をテレビ版以上に満たそうとしていたように思える。そういう方向でまとめるなら、前作でミシェルをきっちり殺しておかないと。 いや、そこに限った事ではない。そもそも完結編でどっちかとくっつけるのなら、前編の段階で徹底してその方向で話を組むべきだったんだ。 ストーリーを語られる際に「三角関係」という言葉を使われるマンガやアニメは結構あるが、実際には言うほど三角な関係でも無い。特に男一人・女二人で二等辺三角な関係の物はあまり覚えが無い。大抵の場合、主人公の気持ちは概ね一貫してどちらか片方のヒロインにより多く向いている。そうでない場合でも、最終的に主人公がくっつくヒロインは当初から決まっており、その前提で話が組まれる。それこそ『超時空要塞マクロス』でやったように、最終的にくっつく方とは当初は逆に険悪な関係にしとくとか。 「二人のヒロインが同格で主人公がどっちとくっつくのか終盤まで読めない」なんて話は、メインである男性客はあまり望んでいないように思える――逆パターン(女一人・男二人)で女性向きの話の場合はむしろオーソドックスなようだが――。話の進行中に盛り上がるのは確かだけど、決着がついた後に釈然としないだろうからな。やはり、最初からきっちり「こっち」と判りやすくしておいた方が賢明である。 もっともそういう観点で考えると逆に、前編の段階から手を打っておいても手遅れだったと言う結論になりそうだ。何せテレビ版では、ヒロイン二人をきっちり同格に描ききってしまったからな。先にああいうバランスの取れた物を見てしまった以上、後で片方に傾けた物を見てもしっくり来ないだろう――「物語の中心という意味でのヒロイン」と「主人公のパートナーという意味でのヒロイン」を別にする事で、違う意味でバランスを取ってはいるようだが――。 まあ、こういう事を言い始めると、きりが無いんだけどね。元より判っていたことだが、テレビ版で満足してしまっている以上、作り直したものが面白いと思える事はまずありえない。潮は満ちれば引くしかない。むしろ順当な結果であろう。 テレビ版に対する熱意が沈静化したら、別の物と割り切って見るかもしれないが、その場合はほとんど理性で見る事になるだろう。出来は良いようだから、感銘を受けるだろうが、感動する事はあまりなさそうだ。 ▲
by GyouKyou
| 2011-03-23 20:27
| 「マクロスFRONTIER」
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2009年 11月 30日
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
「『マクロスF』の映画を見に行ったら、いつのまにか『カレイドスター』を見ていた』 な… 何を言ってるのか わからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった… 頭がどうにかなりそうだった… パクリだとかオマージュだとかそんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ… More ▲
by GyouKyou
| 2009-11-30 21:14
| 「マクロスFRONTIER」
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2008年 10月 24日
ラスト一話で一気に大団円に持って行きやがった。『舞-HiME』という前例があるので想定内ではあったが、それでもこの力技なハッピーエンドには驚かされた。先行き暗そうな前回までの状況から、ここまで八方丸く収まるとは。基本的にはこのラストを肯定しているが、それでもあまりの超展開に呆気に取られる事があった。とりあえず、あっさりブレラの洗脳が解けた事と、あっさりシェリルの病気が治った事には、「いいのかそれで!」と突っ込みたくなった。
特に前者に関しては、そのあまりの都合の良さに唖然とした。なにせ、誰かが奴の洗脳を解こうとした結果として、正気に戻った訳ではないからな――それ以前に操られている事を誰も知らなかったか――。奴に対する攻撃でさえなかった。普通そこは主人公が一発当てる所だろうに。結局アルトはブレラに勝てずじまいか。まあ、VF-25でVF-27に勝てというのが、そもそも無理な話なのだろうが。 ブレラの件に較べるとシェリルの件は、まだ納得できる。と言うか、確かに治った時にはそのあっけなさに唖然としたが、冷静に思い返してみれば「今の技術では治らん」と言っていただけなんだよね。シェリル本人は「もう死ぬ、すぐ死ぬ、今日にでも死ぬ」という感じでテンパっていたけど、ルカが「進行を遅らせる手段はある」とはっきり言っていた。実際、「病気の進行を止める為に冷凍睡眠。数十年後に目を覚ますとそこにはアルトとランカの息子or孫が……」という『ボーダープラネット』な落ちぐらいは想定していた。だから、死ななかった事や病気が治った事は、特に意外でもないし、御都合主義だとも思わない。……まあ、あそこまで「あっさり」だとは思ってなかったけどね。 他にも御都合主義的ビックリ展開に見える物は色々あったが、それらは概ね(シェリルの件以上に)きちんと仕込んだ上でのビックリだったので問題はない。見た瞬間は「なにぃーーー?!」と驚くが、時間が経つにつれ「なるほど」と納得できる物ばかり。いい意味でのビックリだ。 特に最後の最後で、作品の中でも外でも忘れられていたマクロス・ギャラクシーを持って来たのは見事だった。グレイスはここに至るまでに完全な悪役に仕立て上げられているから、最終的に彼女を殺したとしても主人公たちのイメージが悪くなる事はないのだが、一応は一人の女だ。大軍団が全力で一人の女を袋叩きにするのは格好良くない。バジュラ――グレイスと一体化しているクイーンを含む――は倒してはいけない相手だ。「主人公とヒロインたちが上手くやったので、逆にそれ以外の主人公側のキャラのやる事がなくなってしまった」という状況に成りかねなかった。 バトルギャラクシーとそれが内包するゴースト軍団というのは、そういった意味で実に都合のいい存在だった。主人公側と同等、あるいはそれ以上に強くて、容赦なく倒しても問題ない存在。こいつらのおかげでラストバトルが大いに盛り上がった。こういう隠し球をきっちり用意しておいた事、と言うかルールに乗っ取った上でここまでボールを隠しておいた事は見事だった。あくまで「行方不明」だったから、そのまま出番が無かったら伏線の未回収、投げっ放しになる。だから再登場するのはむしろ順当なのだが、それを予想できないようにする為、ぎりぎりまでまったく触れず、忘れるように仕向けた辺りが上手かった。実際、姿を現すのを見て、「ああ、そう言えば」と思い出したものだよ。 ただ、バトルギャラクシーはともかく、ゴーストに関しては問題が無くも無かった。あれが大量に表れて暴れまわってしまうと、有人可変戦闘機の存在する意味が今一つあやふやになってくる。10話でVF-27の動きを「有人機にしては高速すぎるが、無人機にしては反応が良すぎる」と評していたので、「有人機と無人機にはそれぞれ一長一短がある」「『マクロスプラス』のあれは例外中の例外」「だから有人機が主戦力として使われ、無人機は偵察等に使われている」、そういう事だと思っていたのだが。なんか今回の話を見ると、普通に無人機を戦わせた方が良さそうにも見える。もしそうなら、SMSはともかく、新統合軍のパイロットどもが可哀想だ。主人公側の組織が「無人機を戦わせない理由」をはっきり説明しておかないと、むしろマクロスシリーズの他の作品が、困った事になるのではないだろうか。 しかしまあ、色々と気になる部分はあるが、それでも基本的にはこの最終回を賞賛する。バトルギャラクシーとゴースト軍団が出てきた辺りから先の展開は、完璧と言っていいくらいだ。ストーリー的にやるべき事を全部やるだけではなく、客が望んでいる事もあらかたこの一話につぎ込んでいる。強襲型状態のバトルフロンティアとクォーターのツーショット、マイクローン化したクランのVF-25への搭乗――脚とどいたんか……――、マクロスアタック(=ダイダロスアタック改)、アルトとブレラの共闘。やろうと思えばやる機会があったこういった事をあえてこれまでやらず、最後の最後で大盤振る舞いしたあたりが凄い。その周到さには戦慄さえ覚える。 「クランがミシェルのVF-25に搭乗」→「そのクランからミシェル機のスナイパーライフルをアルトが受け取る」→「そのライフルでラスボスであるグレイスに止め」の流れなんかは周到さの最たる物。「燃える」展開であるのはもちろんだが、これによってミシェルの死が綺麗に昇華された。 ミシェルが死んでクランが行かず後家になったので、「これで単純なハッピーエンドは難しくなった」と思っていた。自分たちの不幸にアルトたちが引きずられるのは望む所ではないだろうから、当人たち(クランとミシェル)の感情的には問題は無いのだが、視聴者の方がそれでは納得しづらい。ハッピーエンドに持って行くには、そういった部分をクリアーしなければならないのだが、「それは難しかろう」と思っていた。 しかし実際には、実に優雅に、かつ手短に、そこら辺をクリアーしてしまった。いやはや、「戦いを終わらせる」という当然やるべき行為に、「ミシェルの想いを受け継ぐ」という別の意味を上手く重ねるとは。まったく美味しい所に持って来てもらえた。ここまで良く扱われた死亡キャラというのも近年では珍しい。これならミシェルの死と大団円の双方を受け入れられる――ハッピーエンドが嫌いな人や、何が何でもミシェルの死が許せない人はこれでも納得できないだろうが、そういう人たちはどうせどうやっても納得しないのだから考えてもしょうがない――。 とにもかくにも、大団円で終わったのは嬉しかった。一度は無理だと思ったので喜びもひとしおだ――ミシェルに関しては今でも惜しいと思うが、それはまた別の話だ――。特にランカとシェリルの双方が最後まで健在だったのは良かった。どちらかが消えて、残った方が消去法的にアルトとくっつくと言うのは、あまりやってほしくなかったからな。恋愛の答えなんて、当人たちの意思と責任で出さないと。自分たちで結論を出して納得するなら、見ている方も大抵は納得できる。 もっとも実は、こと恋愛に関しては、この最終回では結論が出ていないんだけどね。「二股エンド」呼ばわりされている――と言うか私も少ししている――が、厳密な意味ではアルトは二股かけている訳ではない。ランカもシェリルも、そんな事を許可してはいない。 確かにアルトはどちらかを選んだりしなかったが、別に「どちらともお付き合いするから」という意味で選ばなかったのではない。単に「どちらも助けたいから、守りたいから」という意味で選ばなかったのだ――そして二人とも助けて、守ったのだ――。 そこで「二人とも助けたい、守りたい」と思うのは「二人ともが好きだから」だから、気が多いと言われても仕方がない。でも、それは感情の問題だからしょうがない。好きなものは好きなんだ。 もちろん、相手にだって感情はあるし、公衆道徳の問題もあるから、選ばなければならない時は来るかもしれない。だが、少なくともそれは今ではない。「一番好きな人はこっちです。だから、もう一方は見捨てました」なんてのはナンセンスこの上ない。 何かを得る為に守る為に、別の何かを捨てたり諦めたりする事が必要な場合はある。そうなった場合に、大人ならば決断し責任を負わなければならない。それは確かだ。しかし、何かを捨てたり諦めたりすれば、何かが得られたり守れたりする訳ではない。そういう事をすれば大人になれるというものでもない。若人はそこら辺を間違えやすい。当人は真面目に目的を達成しようとしているのだが、そういう考え方は往々にして逆の結果を招いてしまう。何かを得る為に守る為に、何かを捨てたり諦めるとしても、それはなるべく少なくあるべきだ。そして、何かを捨てたり諦めたのなら「捨てた・諦めた」という事実は心にきちんと止めておくべきだ。「別にたいして大事ではなかった/欲しくなかった」と「酸っぱい葡萄」的な逃避をしだすと、何も得られず何も守れなくなってしまう。 一人の人間の中だけでも、望む事や求めるものは複数あり、それらを並立させる事が出来ない事はしばしばある。しかし、だからといっていきなり一つを選んで残りを捨てるのは間違っている。むしろ、自分が望んでいる事を一つ一つ見つめていった方が上手い答えにたどり着けたりする。 アルトの場合も、「ランカが好きだから助けたい」という望みと「シェリルが好きだから守りたい」という望みを両立させようとした事で逆に上手く行った――そもそも当のランカとシェリルが、互いを助けたいと思っているんだから、そっちの線で行った方がむしろ容易だ――。別の言い方をするならば、「ランカを好きな自分」と「シェリルが好きな自分」の双方を認めて受け入れた事で物事が好転した。様々な姿を持つ自分のうちからどれかを選ぶのではなく、それら全てを自分として受け入れた。そうする事でより高く飛ぶ事が出来た。それは家庭の問題でも同様。「根っからの役者である自分」は「空を飛びたいと思う自分」を否定するものではない。むしろ力を与えてくれるものだ。「役者である自分」――あるいは「父の子である自分」――を過度に否定したり、「パイロットである自分」――あるいは「母の子である自分」――に拘り過ぎなくなる事で前に進む事が出来た。 (前回の父親の)「それがお前の舞か」に始まり「思わざれば花なり、思えば花ならざりき」を経て「お前たちが、俺の翼だ」に至る、「上手いこと言いやがる」な流れで、今まで互いに反発しあっていたアルトの中の諸要素が綺麗に一つの方向にまとまった。これまで内部で打ち消しあっていたエネルギーが、一方向に向かったんだから強いのも当然。周りの連中の想いも同じ方向に向かっていたし、負ける要素がまるで無い。クォーターのランカとバトルフロンティアのシェリルに見送られてアーマードパック装備で出撃する所で、マジで「もう後は勝つだけだな」と思ったよ。 実際、ランカとシェリルは助けた、ミシェルの仇は取った、フロンティアの民間人は守った、他の仲間たちや友人たちも無事だ――誰か忘れているような気がするが、せっかくなのでそのまま忘れておく――。父親には認めてもらったし、オズマとブレラにも認められた、なにより本当の空を飛んだ。アルト的には完全勝利だ。恋愛ドラマに決着がついていない事など、些細な事に過ぎない。 実の所、アルトはランカともシェリルとも、そういう意味で深い仲になろうなどと望んだ事はなかったし、今もさほど望んではいないだろう。そう強く望んでいるのはランカとシェリルの方だ。恋愛ドラマとしてアルトは主体ではなく客体。主体となるのはランカとシェリルの方なのだ。 そう意味では、こっから先の主役はランカとシェリルだ。アルトを本当の意味でゲットする為の、二人の積極果敢なアプローチが今始まる。アルトの先行きは(15話の内容を思い返すと)なかなかに大変だ。 ああ、そうそう。最後の二人のやりとりにおけるランカの表情の変化を見るに、アルトとシェリルがいたしてしまったのをランカは(女の勘で)気付いた模様。「負けません」は、その上での発言で、ランカの成長の証し。多分そういう事だと思う。 しかし、劇場版ではアルトがどちらかを選ぶ事になるのだろうか。真面目な話、ここまで来るともう、(ゲーム版コミック版『ゴーダンナー』を見習って)重婚合体エンドでいいんだけどねえ。下手にどちらか一人にしぼろうとすると、(それこそ「ファーストマクロス」の後半戦みたいに)ぐだぐだな恋愛ドラマになりかねない。 まあ、そもそも劇場版が続編かどうかも、まだわからないんだけどね。テレビシリーズを一から再構成したパラレルな作品という可能性もある。むしろ伝統に従うのならそっちだ。 とは言え、あの『アクエリオン』でさえも(見てないので良く知らないけど)続編だったらしいから、多分こちらも続編だろう。未消化なネタもあるしな。ビルラーの会いたがっていた相手は、幸いな事に本当にリン・ミンメイだったから、そっちの方で何かやってくれるんじゃないかと期待する。 それと、レオンの悪足掻きにも少し。普通に考えると「終わっている」のだが、まだ生きているし致命的な醜態は晒していない。ここからでもがんばれば、最後に一花ぐらい咲かせられるかもしれない。例えばギガントを引っ張り出したレプカぐらいにな。とりあえず、『舞-乙HiME Zwei』のイシガーミンみたいになるのは勘弁してほしい。それなら出ない方がマシだ。こいつにもまだ何か、例えば実はリン・カイフンの子孫みたいな秘密がありそうにも見えるから、活躍する可能性は皆無ではないと思うのだが。 他に期待する所、というか気になる所と言えば、地上に降りたブレラが振り向いて微笑んだ対象かな。最初はVF-27(の残骸)かと思ったのだが、それは奥にあった。なにか面白い物なのだろうか。「本物のグレイスの脳味噌」辺りが有力候補か。 なんにせよ、まだ出来る事は色々とありそうだ。やるべき事をやり、語るべき事を語って、きちんと一つの物語として終わらせたので、ここで終わりならばそれはそれで構わないが、逆にきちんと一度まとめたので続編を作るなら作るで、やはり構わない。当分先の事だろうから、多くを語る段階ではないが、楽しみにしている、とだけは言っておこう。 ▲
by GyouKyou
| 2008-10-24 22:19
| 「マクロスFRONTIER」
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2008年 09月 27日
もうあちこちでやられていると思うが、せっかくなのでやっておく。誤解される前に言っておくが、私は最終回の内容に満足してる。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 最終話「アナタノオト」 すべてを終わらせる時…! 「マクロスF」最終巻は、発売未定です。 制作・サテライト アルト「チクショオオオオ! くらえブレラ! 板野サーカス!」 ブレラ「さあ来いアルトオオ! オレは実は一回殴られただけで洗脳が解けるぞオオ!」 (ドカッ) ブレラ「グアアアア! こ この最強ライバルと思われたサイボーグ戦士ブレラが…こんな小僧に…バ…バカなアアアア」 (ドドドドド) バジュラ(小)「ブレラがやられたようだな…」 バジュラ(大)「ククク…奴はグレイス一味の中でも最弱…」 あい君「人間ごときに負けるとはギャラクシーの面汚しよ…」 ランカ「雨が草を濡らすように♪」 バジュラs「デカルチャー!」 アルト「やった…操られていた連中は全て解放したぞ…これでグレイスが一体化したバジュラクイーンへの道が開かれる!!」 グレイス「よく来たな早乙女アルト…待っていたぞ…」 (ゴゴゴゴ) アルト「こ…これがバジュラクイーンだったのか…! 感じる…グレイスのフォールド波を…」 グレイス「アルトよ…戦う前に一つ言っておくことがある お前は今までの武器では私を倒す事は出来ないだろうと思っているようだが…別にそれでも倒せる」 アルト「な 何だって!?」 グレイス「そしてシェリルの病気はランカがあっさりと治した あとは私を倒すだけだなクックック…」 (ゴゴゴゴ) アルト「フ…上等だ…オレも一つ言っておくことがある シェリルとランカ、そのどちらかを選ばなければならないのだろうと思っていたが、そんな事はなかった。 二股でもオッケーらしいぞ!」 グレイス「そうか」 アルト「ウオオオいくぞオオオ!」 グレイス「さあ来いアルト!」 アルトの勇気が銀河を救うと信じて…! ご視聴ありがとうございました! ▲
by GyouKyou
| 2008-09-27 16:38
| 「マクロスFRONTIER」
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2008年 09月 25日
結局、大方の当初の予想通り、シェリルはマオの子孫だった(ようだ)。
まったく、今更な話。せっかく「偶然と黒幕(グレイス)の気まぐれと、当人の努力と根性でその地位についたヒロイン」として、「ストーリーや真相と切り離せない、生まれる前からヒロインである事を義務付けられた」ランカとの差別化を図ってきたのに。終了間際でキャライメージがぶれてしまった。「シェリルと見せ掛けてランカ、と見せ掛けてやっぱりシェリル」というサプライズを狙ったのかもしれないが、ランカの母親(ランシェ)について十分すぎる程、明らかにした後ではあまり驚きは無い。そもそも、物語的にも視聴者的にも特に重要ではない要素だ。むしろ、ここで中途半端に持ち出してしまったので、「マオとシェリルが同姓である事に作中で言及されない」不自然さが、顕著になってしまった。 そんな訳で、シェリルがマオの孫だったという真相と、それがここで明かされた事を、あまり肯定できないのだが、グレイスのキャラと動機を理解するという点ではその限りではない。「お前はもうすぐ死ぬよ」と嬉々としてシェリルに語るグレイスの残酷さには違和感を覚えていた――死ぬまで騙しておく方が、どう考えても賢明――のだが、シェリルがマオの血縁で、グレイスがマオ(とランシェ)に含む所があるのなら理解できる。シェリルやランカやブレラを騙したり利用したりするのは、純粋な手段ではなく、それ自体が目的でもあるのだろう。 こういったグレイスのストーリーとの関わりを考慮すると、今回の真相は「これはこれでありか」と思えるぐらいにはなる。それに、よくよく考えると、シェリルがこのバジュラの事件の原因とは徹底的に無関係であると、ランカとの差別化という点ではいいが、その代わりにアルトとキャラが被ってしまう。あちらはあちらで、「偶然と黒幕(ビルラー)の気まぐれと、当人の努力と根性でその地位についた主人公」だからな。そこら辺を考慮すると、明かしたタイミングや明かし方はともかく、シェリルがマオの子孫だったという真相そのものは、そんなに悪くないのかもしれない。 さて、ラス前だが、主人公たちに関しては、もうあまり書く事も無い。と言うか、ラス前だからもう書く事も無い。言うべき事は言ったし、ここまで来ると、あとは黙って最終回を待ちたい。どういう結末になるかはわからないが、納得できるような終わり方には多分なると思う。アルトたちに関しては、概ね安心しているので、逆に気にならない。 むしろ、次回どうなるかが気になったのはルカの方。なんか気付いたら、こいつが(男性キャラに限れば)アルトに次いで主人公っぽくなっている。なにせミシェルはクランを残して死んでしまうし、オズマはあっさりキャシーとよりを戻してしまったからな。恋愛ドラマを現在進行形でやっている男性キャラはこいつとアルトだけだ。しかも、こいつのナナセに対する感情がこれまでの所一番報われていないので、逆に純粋に見えてしまう。一応、番組当初からここに至るまで引っ張っているネタでもあるし、応援したくなる。スタート時点では頼りなかったが、その分実はもっとも成長しているキャラだ。最終的にはいい所に落ち着いてもらいたい。 味方側の他のキャラに関しては、概ね既に落ち着いてしまっているので、不安も期待も無い――例外はブレラぐらいか――。敵役たちに関しても、ここまで来ると特に期待する事もない。レオンには凄い秘密やら野心やらがあるのかと期待していたが、ここまで来て何もない以上、本当に何もないのだろう。ただの小悪党として終わりそうだ。グレイスの方も今回明かされた事で打ち止めだろう。 あとはここに至っても敵か味方かわからない、ビルラーか。この御仁の言う「もうすぐあなたに会える」の「あなた」が誰なのか。それが最後の謎になりそうだ。 ……リン・ミンメイだと、面白いんだけどなあ。 いや真面目な話、「行方不明」として棚に上げたままほって置かれている、初代主役三人組をそろそろどうにかするべきだと思う。「ファーストマクロス」のスタッフには、そういう面倒な所に手を出すほどの気概がもうないようだし、吉野弘幸は蛮勇を見せてくれないものだろうか。最終回では何か「ファースト」に絡むネタを何かやってくれると期待しているのだが。 ▲
by GyouKyou
| 2008-09-25 23:25
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2008年 09月 18日
残り三話にして、このサブタイトル。そこには深い意味が込められているのだろうと基本的には思うのだが、その一方で、単に構成をしくじって尺が足りなくっているんじゃないかと不安を覚えたりもする。実際アルトの唐突な決意宣言も、その方向で見ると辻褄が合ってしまう。結論そのものはともかくとして、その結論に至る経緯が手短になされてしまったので、なんか腑に落ちなかった。
これまでも色々と端折って来てはいたが、主人公周りに関しては割ときっちり手間をかけていた。また、端折る場合には、一貫した流れの途中、端折っても端折った部分が簡単に推測できる部分を大抵端折っていた。今回みたいに、主人公の考えが急旋回・急展開する部分を端折って、見ている方がついていけないという事はあまり無かったような気がする。もはや肝心の所もしっかり描けないくらい尺が足りないのだろうかと、少なからず不安になる。 もっとも、構成に問題が無いのなら、アルトの考えが理解しづらくなった事、言い換えれば主人公と視聴者の間に距離が出来た事に、そんなに不満は無い。登場人物の心の動きが理解しやすく、その言動に納得しやすいのはこのアニメの長所だが、そういう親切設計も度が過ぎると、「歯応えの無さ」に転じてしまう。能動的に登場人物たちの気持ちを理解しようとするのは、それはそれで一つの楽しみ方だ。「わからない」ことが逆に興味をそそる事もある事を考えると、土壇場で主人公の内心を不透明にするのは、フックとして有効だ。 と言うか、そもそもアルトは主人公ではあるが、100%主体として描かれる存在ではなかった。むしろ、他のキャラの目を通して、客体として描かれていた事の方が多かったような気がする。「アルトは自分の事をどう思っているのだろう」とランカやシェリルがやきもきしたりするのが、この話のむしろ基本。アルトという主人公は他者の目を通して、外から楽しむキャラだ。 ただ、気を付けなければならないのは、この他者から見たアルト像が正確とは限らない事だ。矢三郎のアルトに対する評価の鋭さには感心するし――程度にもよるが、この評価が当て嵌まりそうな人は現実にも結構いそうだ――、「所詮は同情に過ぎない」と涙を流すシェリルには切ない物を感じるが、彼らの認識が正しいとは限らない。特に後者に関しては、シェリルの思い込みに過ぎないように思える。前回の流れを見るにアルトはきっちりシェリルに欲情している。 つーか、流石にここに来て、「本当に好きなのはランカで、シェリルはそんなでも無い」なんて言われても困るぞ。もちろん、逆でも困る。最終的にどちらを選ぼうが構わないが、もう一方に対する感情を「気の迷い」で片付けるのは勘弁してほしい。 ここまで来ると、これまで積んできた物に対して、どれだけ責任を取るかが重要になってくる。そこら辺をきっちりできるのならば、たとえ二人とも死亡という普通に考えれば救いようのない終り方でも、問題は無いんじゃないかと思われる。 ▲
by GyouKyou
| 2008-09-18 22:09
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2008年 09月 11日
良し悪しを言うのが、微妙に難しい回だ。
アルトが迷路にはまり込んでいるが、これはまあいい。いずれ――早ければ来週にでも――きっちり抜け出すだろうから。シェリルがアルトといたしてしまったようだが、これもまあいい。この時点でのそれは、死亡フラグ・負けフラグに成りかねないから普通だったら苦々しく思う所だが、死亡フラグがきっちり立っていて、勝利条件も微妙に変わってきている現状では特にマイナス要素ではない。 問題はオズマの説教だ。あれを肯定するか否定するかで、今回の評価が180度変わる。 「大人が若者に」ではなく「一人の男が一人の男に」というスタンスは、基本的にはよろしい。他の河森作品の、「偉そうなオッサンが上から目線で、『俺を見習え』とばかりに一方的にほざく」説教とは、隔絶している。 ただ、これまで曲がりなりにも上官・師匠として振る舞っていた事を思い出すと、少し釈然としなくなる。その場の都合で、立場や相手との関係を変えてしまうのは問題だ。また、18話でのやり取りを思い返すと、少し違和感を覚える。雰囲気的に、「ランカの事はお前に全て任す」という意味合いに感じられていたからな。ここに来て、守る対象としてランカを持ち出すのって、ありなのか。 もっとも考えてみれば、その18話の時点で既に、単なる上官と部下という関係からは脱却している。SMSという組織も解体されるので、気兼ねなく「一人の男」として対する事が出来たということなのだろう。 あと、あの時の「ランカを守ってくれ」はあくまで自分が動けない間の期間限定の依頼で、永続的な意味では全然無かったようだ。まあ、当たり前と言えば当たり前の話。シェリルとの関係についてどの程度知っているのかはわからないが、たとえまったく知らなくても、「うちの妹の面倒を一生見てくれ」なんて事を(当人たちが話をまとめてもいないのに)言ってしまうのは大問題だ。 色々と考えると、一応筋は通っていそうだ。隙間をこちらで埋める必要があるが、それをすればちゃんと繋がる。そういった隙間まできちんと描くのが本当は正しいんだが、尺が足りないんだから仕方がない。話が飛び飛びなのはもはや諦めている。メイン部分さえ外さなければ、とりあえずは大目に見る。 ところで、ここ四話はエンディングに使われた曲がそのままサブタイトルに使われているのだが、これもまた、良し悪しを言うのが難しい。 19話で「トライアングラー」が流れた時は、話の内容がそういう物なので、それに合わせてエンディングに持ってきたのだと思ったのだが、それが続いていくと段々不安になっていった。まさか、エンディングが先に決められていて、それに合わせて話の内容が決められたんじゃないだろうなあ。河森正治はそういう事を深く考えずにやりそうだし、吉野弘幸はそれを引き受けて何とかしてしまいそうだ。「ダイアモンド・クレバス」流す為にミシェルを殺したというのなら泣くぞ。 まあ、実際はどうかは知らないけどね。ただ、「蒼のエーテル」が問題だったのは間違いない。なにせエンディングに合わせてこれをサブタイトルにした所為で、「サブタイトルは全部カタカナ」という決まりが崩れてしまったからな。最終回とかで狙ってやるのならともかく、こんな途中で成りゆきで例外が出来てしまったのはかなり無様だ。 もっとも、エンディングへの流れは、あれが一番綺麗だったりする。曲自体も初のお披露目だから一番ありがたみがあった。お陰で一概には否定できない。まったく、色々な意味で困る仕掛けだった。 ▲
by GyouKyou
| 2008-09-11 23:40
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2008年 09月 04日
ランカとシェリル、どちらがこの話の正ヒロインかと問われれば、そりゃランカだ、と答える。マクロな流れ、あるいは謎の中心にいるキャラだからな。恋愛ドラマの部分を取っ払っちまったら、一気に脇役に転落するシェリルとは較べるのも馬鹿馬鹿しい。
もっとも、「正ヒロインである=美味しいポジションにいる」とは、必ずしも言えない。むしろ、大きなストーリーなどを背負っている為に動きが制限され、当人自身の魅力をなかなか発揮できなかったりする。実際これまで、シェリルやクランに較べると、はじけ具合は今一つだった。 とは言え、ストーリーが佳境に入ってくると、やはり正ヒロインは強い。物語の流れを背負っているので、物語の勢いをそのまま受け取る事ができる。 そんな訳で、今回のランカには、かなりぐっと来た。世界の行く末に関わる大きな問題と、それに較べると遥かに小さい自分の恋。その狭間で揺れ動く女心。そういった物が自然に伝わってくる、綺麗な演出だった――言葉にし過ぎない辺りが上手い――。溜めが長かっただけはある。 あと、ランカを変にぐれさせず、むしろ道義的には正しい選択をさせる事でアルトから離れるように仕向けたのは見事だった。ランカというキャラに傷を付ける事なく、アルトとブレラがきっちり戦うような状況にきちんと持って行った。期待していた以上にスムーズに、期待していた所に持って行きやがった。 ただ、ランカを挟んでアルトとブレラが対決する構図にきっちりなってしまったのは、痛し痒しだ。まるでこれがこの話の、この「マクロス」の、メインの三角関係みたいだ。シェリルの立場が無い。なにせシェリルがいなくても、この展開に無理せず出来ただろうからな。なかなかに泣ける物がある。 まあ、シェリルは何のかの言われつつも、そのドラマをきっちり描いてもらっているから、まだいいけどね。他の、名実共に脇役な連中は、割とぞんざいだ。それぞれにそれぞれのドラマがあるはずなのだが、尺が足りないので、それがあまり形になっていない。おかげで言動が唐突に感じる事もしばしば。今回のルカなんかが、その例だ。 実際に形にならなくても考えてはいるのだろう。それも割と早い段階から。ルカの場合なども、別に不自然ではない。ちゃんと一本の流れの過程としてあるのはわかる。ただ、やはり途中がかなり抜けているのでな。連続性が感じられず、どうしても唐突な印象を受けてしまう。 やはり、メインのストーリーラインとメインキャラ三人を描くだけでいっぱいいっぱいか。周辺の方でも色々と面白そうな話が展開しそうだったが、そっちは可能性だけで終わってしまいそうだな。ミシェルも死んでしまったし、メイン以外の部分にはあまり多くを期待しない方が良さそうだ。 ▲
by GyouKyou
| 2008-09-04 23:14
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2008年 08月 28日
「死んでたら最高に感動的だったんだけどねえ」
だからって、お前が感動的に死んでどうする、ミシェル。予想していた以上に早く、危惧していたとおりの死に方をしやがって。まったく、お前にはゼントラン化して、クランと結婚式を挙げるという大切な使命があったのに。 真面目な話、ここでミシェル×クランの線を潰してしまっていいのだろうか。メインラインが三角関係という、どう転んでもどっかしらから文句が出そうな代物である以上、こちらは鉄板としてキープして置くべきだったのではないだろうか。ここだけ手堅くハッピーエンドにすれば、他がどうなろうと、とりあえずは好い評価を得られたと思うのだが。 ああ、でもそれで、「ミシェルとクランこそが、真の主人公とヒロイン」みたいな事をしつこく言い続ける奴がわんさか出てこられるのも、あまりありがたくないか。この話の主役はアルト、ランカ、シェリルだからな。話の軸がずれないようにする為に、心を鬼にしてミシェルに退場願うというのも、一つの正しさではある。 とは言え、そこまでやっといて、メインラインを綺麗にまとめられなかったから悲惨だぞ。背後に水がある状態で負けたら逃げ場が無い。こっから先は余程上手くやらなければならないのだが、大丈夫なのだろうか。一番使い勝手のいいキャラを退場させてしまった訳だしなあ。 まあ、この段階で死んでると決め付けるのは、少し早計かもしれないんだけどね。最近のアニメではあの程度では死なない。実は生きていたという線も考えられなくもない。 とは言え、そっちの線はそっちの線で、やはり余程上手くやらないと悲惨な事になる。なにせ死んでいるのはこいつだけではない。ララミアは「あの程度」で結局は死んでいたし、グラス大統領も今回死んでしまった。こいつらを差し置いて、ミシェルひとりが「実は……無事だったんです(笑)」では、流石に納得しづらい。 それにしても大統領、ミシェルの影に隠れるようにあっさりと、御座なりに死んだな。運良く一度、死地を脱したのに、大して間を置かずに結局レオンに殺されてしまったので、なんか微妙に白けてしまった。狙撃手の方に視線を向けたので、何か気付いているのかと思ったのだが。 どうにも中途半端なキャラだったな。こういう展開にするなら、普通にお人好しでよかったよ。好ましく思っていないレオンを補佐官として置いている辺りから、物凄いしたたかで、レオンの本性と野望にも気付いているのではないかと思っていたのだが、どうやら本当に何も気付いていなかったようだ。ジャミトフ・ハイマンという男を思い出す、微妙に間の抜けた死にっぷりだった。中の人もおんなじだしなあ。 ▲
by GyouKyou
| 2008-08-28 22:30
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2008年 08月 21日
なんか、ランカが病んだ方向に突っ走って敵に回ったりしそうだ。少し前まではシェリルの方がそういう気配が濃厚だったんだけどねえ。シェリルが根性で踏ん張っている間に、ランカの方がやばくなってしまった。
もっとも、ブレラの存在を考慮すると、そうなった方がストーリー的には都合が良さそうだ。なにせ、アルトがいまだにブレラに勝った事がないからな。最終的に共闘するにしても――いや、するなら尚更――、一度は勝っておかなければなるまい、主人公としては。で、アルトとブレラにガチバトルをやらせるのなら、やはりランカを巡って、というのが一番自然で、一番様になるだろう。 実際ここに来て、ランカとブレラの関係がストーリーの中で大きくなっている。つーか、アルトとラブストーリーやっているランカよりも、ブレラとホームドラマやっているランカの方が、個人的には見てて心地良い。なにせ、ブレラとの関係ではランカが幸せになったからって、誰かがその分不幸になったりしないからな――オズマが半ば身を引いたので、ブレラがプラスになった分、誰かがその分マイナスになる訳でもないし――。実の所、三角関係というのはあまり好きではなかったりする。 まあ、三角関係というシチュエーションは、登場人物の感情を深く描いたりするのには向いているから、必ずしも否定はしないけどね。実際、今回のランカの「たくさんの人に聴いてもらいたいと思っていたが、本当はたった一人の人に聴いてもらいたかったんだ」と、シェリルの「歌を歌ってなくても、ただの女であっても、認めてほしい。愛してほしい」は、二人の中の「女」が感じられてとても良かった。女たちにとって一番大切なものは恋(=好きという気持ち)である。何をやるにもその根源にはそれがあり、またそれを守る為には他の大切な物を全て捨てようとする。そういう事だろう。 無論、現実の女性の人格や性格は千差万別。全ての女性がこういう価値観で生きていてる訳ではない。実際には、そんな女性はほとんどいないのかもしれない。 ただ、そういった価値観が「男性的」ではないのはないのは間違いのないことだろう。だから、「男らしさ」に過度にこだわるアルト――その割には髪を短くしないが、その理由は今回手短に明かされた――が、そういった価値観を理解しない/理解したがらないのは納得できる。「理解したら負け」とおそらく無意識に思っているのだろう。 まあ、この年頃ならそんな物だろう。程度を別にすればアルトは普通。むしろ、きっちり全部理解しているミシェルの方が特殊だ。どうやらこいつ、視聴者の、というより年配視聴者の代理人のようだな――ちなみに矢三郎は作り手側の代理人っぽい――。毎度毎度、こちらの言いたい事をきっちり言ってくれるので非常にありがたい。 もっとも今回は、いくらなんでも言いすぎだ。言うべき相手に言うべき事を全て言ってしまっている。大丈夫か、おい。まさか死ぬんじゃないだろうな。 実の所ミシェルって、オズマなんかよりも余程、アルトの師匠っぽかったりする。なにせあらゆる面でアルトの一段上にいて、適切な時にアルトを導いているからな。同い年である事を忘れると、アルトがミシェルの後継者キャラに見えてくる。 で、後継者ってのは死亡フラグの中でもかなりでかいものだからな。マジでこいつが二、三話後に死んで、アルトがその意志を継ぐなんて事になりそうで恐い。こいつには最後まで生き残ってもらわないと、色々と困るのだが。まだクランとキスとかしていないからぎりぎり大丈夫だと思うが、逆に言うとそこをクリアしたら本気でヤバイ。次回・次々回辺りが峠になりそうだ。 ▲
by GyouKyou
| 2008-08-21 23:19
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